22/23EFLプレイオフ 各3ディヴィジョンの決勝プレビュー - EFLから見るフットボール

22/23EFLプレイオフ 各3ディヴィジョンの決勝プレビュー




「シェフィールド(ウェンズデイ)とピーターバラの試合を見ました。4-0の後4-0、更に延長・PK戦を経てチャンピオンシップに行くチームを決める。思ったのは、こういうものはスペインで見られるか?ドイツでは、イタリアではどうか?ということ。見れません。観衆の凄まじさ、Skyでのライブ中継、他のどんな国でも起こり得ないことです。当然トップクラブへのサポートはありますが、この国が持つ下部リーグへのリスペクトにはただただ脱帽させられます。だからこの国は素晴らしいのです。33,000人の超満員、0-4負けの後のクレイジーな展開。他の国なら0-4からなんてノーチャンスですが、4-4になるんですから!そして4-1になり、5-1になり、PK戦。これがイングランドですし、本当に唯一無二です!本当に特別ですし、だから私はこの国に長くいるんです。最高ですよ」



「シェフィールド」ではなく、「シェフィールド・ウェンズデイ」と言ってほしい!というのは置いておくとしても、ペップ・グアルディオラが自らのプレミアリーグ優勝の話題もそこそこに話した前述の言葉が、EFLのプレイオフという存在の特別さを端的に表している。


誰もが夢見るウェンブリー、累計20万人以上が集まる最後の大舞台で、天秤にかけられる昇格の希望。今年はその過程となる準決勝から史上最大のドラマが起こり、決勝への期待が膨らむ。


まして今年、日本でもDAZNでの中継が3日連続で控える最高の環境。

ならば各ディヴィジョン決勝の3試合についてよりよく知ってもらうために、このブログでは初めて試合のプレビュー記事を書くことにする。




チャンピオンシップ決勝 ルートンvsコヴェントリー
5/27(土)24:45KO


対戦カードが決まった段階から多くのナラティヴに支配された一戦。両者がここ10年足らずの内に歩んできた獣道の存在が、多くのフットボールファンに夢と希望を与える。


しかしそういったバックグラウンドの説明は大部分をTwitterでの直前情報に譲り、このプレビューではより試合そのものにフォーカスしたい。

なぜならある意味では、そういった「試合外の情報」が、この両チームが今シーズン成し遂げてきた偉大な足跡・成績へのディスリスペクトに繋がっているのではないかとも感じるからだ。


とどのつまりは、「そんな這い上がりのコンテクストなどなかったとしても最高に楽しみな対戦」なのである。



一部では昨季の5位、プレイオフ進出(準決勝でハダースフィールドに敗れた)をフロック視する声もあったルートンだが、そんなことはお構いなしに今シーズンも序盤から上位争いに参戦。

途中クラブを2部のこの位置まで押し上げた大功労者のネイサン・ジョーンズをサウサンプトンに引き抜かれ、1月にジェイムズ・ブリーなども放出したが、ロブ・エドワーズの指揮の下で今年に入ってからはわずかリーグ2敗。ジョーンズの基盤をエドワーズが独自に発展させ、フィジカルとインテンシティで相手を凌駕する強いフットボールを築き上げた。


コモンウェルスゲームズの7人制ラグビーに使われたことでホームスタジアムがダメージを負い、開幕からの7試合中6試合をアウェイで戦ったコヴェントリー。その代償は大きく開幕10試合1勝、最下位からのスタートを余儀なくされてもなお、マーク・ロビンズは今シーズンもこのチームを前進させた。

常にプレッシャーのかかっていた最下位での日々、スタジアムの不十分な設備、不人気を極めたオーナーからのクラブ売却問題。これら全てを背負った上での10月15日以降(開幕11戦目から)36試合63ポイント、リーグ3位の成績は立派と評す他なく、そもそも未消化分が多かったことからこの期間PPGではルートンを下回っているとはいえ、裏を返せばそれだけの過密日程の中フォームを崩さなかったということでもある。



両チームに共通しているのは、長年かけて築いた基盤の上に今シーズン更なる驚異的な成功を積み上げているという点だ。そしてそれはギャンブルの結果もたらされた刹那的なものではなく、極めてサステナブルで緻密な計画の上に成り立つものだと言える。


だから両者にとって、これは「千載一遇のチャンス」などではない。仮に敗れたとて、そのチームは来シーズンの昇格候補の一角に躍り出るだけだ。ルートンならばマーヴェラス・ナカンバコーディ・ドラマー、コヴェントリーならばヴィクトル・ヨケレシュグスタヴォ・ハーマーらはいなくなってしまうだろうが、それは一時的な損失に過ぎない。




とはいえもちろん、ルートンは新スタジアムの落成間近、コヴェントリーは念願の新オーナー就任直後とあって、両クラブはTransformativeな時期を迎えている。そこに「プレミアリーグ」の称号が付け加えられるのであれば、それ以上のことはない。


そういった背景、また両クラブのスタイルを鑑みても、この一戦は間違いなくプレイオフらしい緊迫感の漂う展開になるだろう。両者ともにハイラインを敷くようなチームではなく、プレスの激しさこそあれ、ボールを握って攻め立てていくタイプの戦い方ではない。



ルートンの攻撃面の基軸となるのはサイド攻撃だ。共に攻撃的なWBの右コーディ・ドラマー、左アルフィー・ダウティーの両翼にある程度のスペースが与えられると、そこから良質なキャリーやクロスがピッチ前方に届けられる。

またイライジャ・アデバヨカールトン・モリスという比較的似たタイプを並べる2トップも特徴的だ。高さ、動き出し、勤勉さなど多くの個性を共有するオールラウンドな2人によって、相手DFを混乱に陥れるのが彼らの常とう手段である。


一方のコヴェントリーも守備から物事を組み立てるタイプのチームだ。中盤のベン・シーフがタクトを揮う自陣でのブロックは極めて堅固で、そこを突破されても最後尾にはリーグ最多完封(20)のGKベン・ウィルソンが控える。POも含めた2月以降の20試合で複数失点したのはわずか2回(その間2敗)で、PO準決勝でも今季リーグ最多得点のミドルズブラを連続完封した。


そして深い位置でボールを奪った後は、無尽蔵のスタミナと創造性を兼ね備えるグスタヴォ・ハーマーと(得点能力に留まらず)FWが可能な文字通りほぼ全てのチームへの貢献を高いレベルでこなすヴィクトル・ヨケレシュが2人でカウンターを完結させてしまう。



総じて言えるのは、ルートンとコヴェントリーは共に非ポゼッション時の戦術、あるいはトランジションの質によって形作られているチームであるということだ。


例えばコヴェントリーにとって、ボールを握って攻撃力に物を言わそうとするミドルズブラなどは格好の相手だった。しかし今度はそうは行かない。共に得意とする形が誘い受けである以上、重要な局面では自ら何かを作り出すことが要求される。


またルートンはPO準決勝2nd legのサンダランド戦でコーナーから2点を取り逆転したが、コヴェントリーは今シーズンCKからの失点がリーグで最も少なかったチームだ。さらにフリーキックに至っては、両チームともに今シーズン無得点無失点である。即ち、セットプレイから試合が動くことも想像しづらい。





その意味では、今シーズンの両者の対戦が共に引き分けに終わっているのも驚くべきことではない。




上のシーズン1度目の対戦(9/14)はまだルートンがジョーンズ時代で、現状のメンバーもこの時からはかなり変わっているため、より参考になるのは下のシーズン2度目の対戦(2/11)だろう。


開始1分にトム・ロッキャーが挙げた先制点はセットプレイ崩れからだったが、これはある種事故的な失点と言えよう。一方でコヴェントリーの得点となったPKのシーンは興味深い。このシーンに限らず、RCBのゲイブ・オショは基本的にヨケレシュの動きを捕まえきれていなかった。



最前線で動き出す方向を選ぶことができるヨケレシュだが、ロングボールを収める時もキャリー時も基本的に彼が好むのは左側へ逃げていく動きである。ボロ戦では逆の右側(ボロから見た左サイド)に非常に高いポジショニングを取るライアン・ジャイルズがいたためそちら側への動きも試みていたが、結果的にはそれは功を奏さず、狙いをいつも通りの左側に切り替えてから彼のボールタッチは飛躍的に増えていた。


その点、対ルートンの方がヨケレシュにとっては与しやすい相手かもしれない。RWBのドラマーのポジションが非常に高く、その後ろにいるRCBのオショは2月にPKを獲得した相手。LCBのアマリー・ベルも攻め上がっていくタイプの選手だが、おそらくウェンブリーではヨケレシュは最初から左側に狙いを定めるはずだ。



そしてルートンにとってはもう1つ気になる点がある。ピッチの広さだ。


PO準決勝1st legのサンダランド戦、逆転負けの大きな要因となったのは、彼らの代名詞たるプレスの不調だった。後方から前へ前へと勇敢に持ち上がったサンダランドの若手たちのプレイは、(とりわけ中盤のピエール・エクワを筆頭に)ともすれば大きなリスクを伴うものでもあった。しかしいつもならしっかりとフィルターをかけるはずの中盤がさほど機能せず、後半はほぼ防戦一方となってしまったのも記憶に新しい。


この理由をピッチの広さに求めることは決して無理のある言説ではない。ルートンがホームとするケニルワース・ロードはピッチ幅101m×66mというリーグ最少規模のスタジアムで、その狭さが歴史的にもルートンの戦術に大きな影響を及ぼしてきた。


ウェンブリーのピッチサイズはプレミアリーグが推奨する105m×68mに設定されており、これはサンダランドのホームであるスタジアム・オブ・ライトとも同じサイズだ。


今シーズンのルートンはアウェイでの成績がバーンリーに次ぐリーグ2位でPPGは1.78だったが、105m×68mのスタジアムを持つ16チームとの対戦に限るとPPGは1.56と落ちる(それでも十分高水準だが)。

さらに言えば、今シーズンのアウェイ5敗はいずれもその該当チーム相手(ブリストル・シティ、ワトフォード、ストーク、ミドルズブラ、サンダランド)に喫したものでもあった。



とルートンにとっての懸念点を2つ書いたが、だからといってそれらがコヴェントリーにとっての大きなプラス材料になるかと言えば、これだけで勝ち確と言えるようなものでもない。


つまりここまでの諸々を考慮すると、このカードはPK戦にもつれる可能性までそれなりに考えられる。共に一発飛び道具のような存在もなく(普通の相手ならハーマーやヨケレシュは飛び道具だが、ことルートンのようなスタイル相手だと有効性が薄れる)、そもそも攻め気に逸るようなマインドセットを持つ両チームではない。


間違いなく予想されるのはタイトな展開。一方で過去5年のPOファイナルを振り返ると、うち4回で前半の間にスコアが動いてもいる。


どんな結果が待つにしても、今シーズン3本の指に入るのに相応しい両チームの対戦。締まった好ゲームは約束されている。



予想:120分戦って0-0、PK戦で…その日運が強かった方。



League One決勝 シェフィールド・ウェンズデイvsバーンズリー
5/29(月)23:00KO


奇妙でややこしいスケジュールだが、今年のPOファイナルはチャンピオンシップ→L2→L1の順番。従ってLeague Oneの決勝は現地休日の月曜日に大トリとして行われる。


さて、サウスヨークシャーダービーである。96ポイントの3位ウェンズデイと86ポイントの4位バーンズリーだが、自動昇格の可能性が消えた後メンバーを落としたラスト数戦でバーンズリーは勝ち点も落としていたため、本来勝ち点の差はより少ないと考えるべきだ。


何といっても、今シーズンのプレイオフの主役はこのシェフィールド・ウェンズデイだ。

3部史上13位(04/05のリブランド後)の勝ち点を記録しながら3位となって回ったプレイオフ、(傍から見ればやや不当な)監督批判が渦巻く中で0-4の惨敗を喫した準決勝1st leg、そして世界のフットボールファンを震撼させる「史上最も偉大な逆転劇の1つ」となった2nd legでの大逆転。その強大なナラティヴは、彼らのバウンスバック完遂をマストであるかのように印象づける。


その意味では、決勝で待つ相手がアーチライバルというのもまたドラマチックだ。一時的なヨーロッパ路線成功の大きすぎる代償を支払った24位での降格からわずか1年、「再建の年」であると明言され任命されたマイクル・ダフの下で、バーンズリーはなんと即チャンピオンシップ復帰まであと1勝というところまで迫ってきた。


ボールを握って我慢強く攻めるウェンズデイと、前の路線の名残も残しつつもよりイングランドらしさも加えたハイインテンシティを武器とするバーンズリー。チャンピオンシップとは違い、こちらはスタイルクラッシュの様相も呈している。



ここで「凄い勝ち上がり方をしてきたウェンズデイの勢いを買う!」などといったような著しく無根拠な言説を展開するのであれば、わざわざブログ記事など書く必要はない。そういった精神論の適当な論拠ではなく、試合を展望するにあたって有用な事実だけを抜き出していくことが、こういったハイコンテクストな試合の戦前には重要だ。


その意味でまず参考にすべきは、今シーズンの2度の対戦である。




上の第1戦は9月3日のウェンズデイホームの試合。それまで4勝1分1敗だったウェンズデイに対し、2勝1分3敗とスタートダッシュに失敗したバーンズリーが2-0の完勝を収めた。


下の第2戦は3月21日のバーンズリーホームの試合。国際配信カードだったのでDAZNで見た方もいるかもしれない。この時までリーグ23試合無敗を続けていたウェンズデイを、近11試合9勝2分で来ていたバーンズリーが4-2で撃破した。


単純なダブルという事実は当然として、バーンズリーの得点に明確なパターンが見える点に注目したい。ウェンズデイの最終ラインでのまごつき、あるいはバーンズリーのプレスが完璧に嵌っての高い位置でのボール奪取が頻繁に発生しているのだ。


前述のチャンピオンシップの話ではないが、バーンズリーにとってはまさにウェンズデイのようなチームは「与しやすい相手」なのだろう。

両チームともに中盤3枚は比較的攻撃的で、完全に守備型の選手を入れずにチームのベースを作っているが、とりわけ現在のウェンズデイにはあのバリー・バナンとも双璧の重要度を誇るジョージ・バイアーズがいない。そこで中盤に脆さが出たことが自動昇格を逃す直接の原因となった9試合1勝のランに繋がってもいた。



その意味でこの試合の最も注目すべき点は、ウェンズデイのマインドセットにある。

今シーズン2回の対戦では完全に術中に嵌ってしまった相手との対戦。自らの武器であるボール回しを攻略され、そこから幾度となく失点を喫してしまった中で、彼らは勇気を持ってボールを保持しに行くことができるだろうか?


ただでさえシーズン終盤にかけては「優勢に立った場面」での脆さが目立ったチームでもある。それがあの魔の9試合でもあったし、それがあのPO1st legでの惨敗でもあった。失うものがない状況に追い込まれて発揮する力が凄まじいことは間違いない。しかし一方で、あまりにも頻繁に窮地に追い込まれてしまっていることも事実だ。


それに関連して、バーンズリー側の興味深いスタッツもある。彼らは今シーズン、先制した29試合で26勝3分(0敗)だったのに対し、先制を許した14試合では(0勝)2分12敗だった。


実際、ボルトンとの準決勝も2試合を通じてそういった試合だった。確かにボルトンの攻撃陣が今年に入ってから大分湿っていたのもあるが、戦い方の性質上点を取る必要に駆られたチーム相手の方がバーンズリーとしてはやりやすいだろうし、また一度追いつかれても決して焦らない心の強さを持ったチームでもある。


ならばウェンズデイとしては、まずバーンズリーよりも早く一歩前に出られるかどうかが大きな鍵だ。それはこの試合単体というよりも、比較的長い間表出している課題に対する取り組みという点で、シーズンの総括的な意味合いを持つアジェンダとなる。



個人的には…この試合が最も下位チーム有利のカードかもしれない。



予想:2-0でバーンズリー



League Two決勝 ストックポートvsカーライル
5/28(日)21:30KO


ここまででお気づきの方もいるかと思うが、今年の決勝進出6チームはいずれも準決勝の1st legで勝てなかったチームだ。単純なホームアドバンテージの凄さという話でもあるが、やはりEFLは規格外のリーグである。


昨シーズンは5部にいたストックポートと、昨シーズンは20位で降格を逃れたカーライル(しかも2月23日にポール・シンプソンが就任するまでは降格圏だった)の対戦。まさしくLeague Twoの競争力を象徴するような対戦だが、より大きなステークをこの試合にかけるのはストックポートの方だろう。


5部からの昇格初年度ながら優勝候補筆頭にも推された(今の5部のスタックぶりからして、来シーズンのレクサムやノッツ・カウンティに限らず、今後もこのトレンドは続きそうだ)今シーズンのストックポート。しかし1ヶ月足らずの間に共に自動昇格を果たしたスティーヴネッジとノーサンプトンを破るなど破格の実力を示す時期があった一方で、9試合2勝だった開幕直後をはじめとして、そのパフォーマンスには想定外のムラがあった。


そしてシーズン最終盤では20試合でわずか1敗のストロングフィニッシュを見せたのにもかかわらず、自動昇格のかかった最終戦(既に降格が決まっていた)ハートリプール戦での引き分けから、またしても調子は下降気味になっている印象を受ける。

準決勝のサルフォードとの2試合は最終的にPK戦に持ち込まれたが、これは控えめに言ってもラッキーな結果だったと言えよう。シュート数では(第1戦で負けたのにもかかわらず)2試合とも相手を下回り、追い付いたのは第2戦115分でのことだった。



その点真逆の曲線を描いてここに臨んでくるのがカーライルだ。こちらは開幕13試合1敗のスタートで昨シーズン後半の好調ぶりを維持して幕を開けた1年、シーズンを通して連敗は2回だけという安定感で一時は自動昇格争いに絡むも、3月中旬ごろからパタリと点が取れなくなってしまい失速していた。


辛くも5位を守り進出してきたプレイオフだが、1点をブラッドフォードに先制され迎えた準決勝1st legの後半から様相は一変。不可解な出場機会減に苦しんでいた今季20Gのデニスなどが交代出場から見せ場を作ると、1点ビハインドで臨んだ2nd legは延長まで行きながら3ゴールを奪って逆転での突破を決めた。



共に延長、ストックポートの方はPK戦を勝利しての突破だったとはいえ、その内容の詰まり方ではカーライルの方に一日の長があると見るのが妥当だ。


ただマストでメンションしておく必要があるのは、カーライルの2nd legで決勝点を決めた選手が出場できないということ。なぜならその人ベン・バークリーは、こともあろうにストックポートからのローニーだからだ。





今季2度の対戦ではストックポートが1勝1分の成績。より最近の第2戦はカーライルのホームで2-2の点の取り合いだったが、これは両チームらしくない守備のミスが散見される試合だった。あくまで例外と捉えた方が良いだろう。



その上で、実力的にはストックポートが上回ることが予想される中でも、カーライルの2人の選手に注目したい。


まず1人目は35歳のベテランストライカー、ジョー・ガーナーだ。


彼に関しては理由は一つ。プレストン時代の2014年、L1のプレイオフ準決勝でPO史に残るゴールを決めながら敗れ去った選手が、10年近い時を経て遂にウェンブリーへと辿り着く。そのセンチメントだ。



そしてもう1人はカーライルの大黒柱、25歳のMFオーウェン・モクソンである。


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今シーズン新加入の彼の前所属はアナン・アスレティック。聞き馴染みのないクラブだがそれもそのはず、スコットランド3部のクラブだ。しかもモクソンはそれ以前もスコットランドの下部を彷徨っていた選手で、いくらスコットランド国境近くの街で伝統的なコネクションを持つカーライルと言えども、さすがに無謀な補強ではないかと目された補強だった。


蓋を開けてみればリーグ戦45試合出場で6ゴール、15アシストはリーグ2位の数字。Whoscoredの長所短所の表を見ても、彼がいかほどの選手なのかは一目瞭然である。




既に出来すぎなほどのシンデレラストーリーに、最後の壮大な結末が待っているかもしれない。

ウェンブリーで大仕事をするのは往々にして、こういった星の下に生まれた選手である。



予想:90分で1-1、延長で2-1カーライル

 

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